電気・ガス価格激変緩和対策事業を理解しておこう_住宅コラムvol.20
どんどんと値上がりが続く電気料金。
1月の請求額に驚いた人も多いのではないでしょうか?
私の家も過去最高額の請求があり、明細を何度も見直しました。
本日は上がり続ける電気料金の支援として、2023年1月から開始された電気・ガス価格激変緩和対策事業についてご説明します。
ニュースなどで国が電気代の支援を始めたと説明されていますが、きちんと内容を理解していないと、当支援の対象期間が終わる10月頃に更に驚くことになる可能性があります。
電気・ガス価格激変緩和対策事業とは?
エネルギー価格の高騰による電気料金・都市ガス料金の上昇について、家庭や企業などの負担増加が見込まれるため、負担緩和策として国から小売事業者(電力・ガス会社)を通じて、電気・都市ガスの使用量に応じた料金の値引きを行う制度です。
対象期間は?
使用期間:2023年1月~2023年9月
(請求月 2023年2月~2023年10月)
※上記期間以降の継続は未定とされています。
手続き方法は?
使用者(電気を契約している者)の申請は不要
どのくらい割引きされるの?
標準世帯だとおおよそ、電気代⇒2,800円/月
ガス⇒900円/月 の割引きになるそうです。
なお最後の月(9月使用分)は値引き額が小さいのでご注意ください。
【値引き額】
■ 2023年1~8月分
電気 低圧(家庭等)7.00円/kWh
電気 高圧(企業等)3.50円/kWh
ガス 家庭・企業等 30.00円/㎥
■ 2023年9月分
電気 低圧(家庭等)3.50円/kWh
電気 高圧(企業等)1.80円/kWh
ガス 家庭・企業等 15.00円/㎥
「全世帯」値引きが受けられるのか?
支援の対象となるのは「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の申請手続きを行い、採択された電力・都市ガスの小売業者です。
申請を行っていない企業の電気代・ガス代は値引きの対象ではありません。
よってご自身がお使いの電力・都市ガスの小売業者が採択されていないと、値引きが受けられません。
採択されている電力・都市ガスの小売業者はこちらからご確認いただけますので、チェックしてみてください。
注意したいこと
低圧・規制料金は値上げへ
⼀⽅で、2023年4⽉からの低圧・規制料⾦の電気料⾦値上げを東北、北陸、中国、四国、沖縄電⼒の5社が経産省に申請しています。
現時点では5社のみですが、この5社以外にも値上げが広がることも想定されています。
一定期間中は国の支援で2割ほど値引きされるものの、電力会社自体の電気料金が3~4割値上げされる可能性が非常に高いのです。
値上げされる4月以降は地域によってはエアコンの使用量も少なく、且つ国からの支援を受けている期間なので、請求額がそれほど上がらず気にならないかもしれませんが、支援が終わる秋以降の電気代は家計に大きなダメージを受けることとなるでしょう。
_規制料金とは? 低圧の電気料⾦には「規制料⾦」「⾃由料⾦」の2種類があり、⼩売⾃由化前からあるのが「規制料⾦」で、自由化以降のプランが「自由料金」です。 電⼒⼩売は全⾯⾃由化されていますが、⼀般家庭も含まれる低圧の契約では、⾃由化前の規制料⾦も経過措置として引き続き提供されています。⾃由料⾦は電⼒会社判断で料⾦を決められますが、規制料⾦の値上げには経産省の認可が必要となります。 |
まとめ
電気・ガス価格激変緩和対策事業により、2023年1⽉以降⼀時的に電気料⾦は下がりますが、値上げをする電力会社の場合、4⽉以降は政府補助による値引き額を上回る値上げとなり、電気代は今後も⾼くなるでしょう。
9⽉使⽤分以降は支援も終了する見込みなので、もし燃料価格が⾼⽌まるようであれば、23.9%〜43.0%という⼤きな値上げ率となります。
今できる対策として最低限しておくべきことは、自分がどの電力会社とどんな料金プランを契約しているのか、その内容を確認することです。
契約当初と料金プランの名称が同じでも、燃料費調整額の上限撤廃をはじめ、内容が変わっている可能性もあり得ます。
まずは現在の料金プランがどんな内容か、今後値上げする予定があるのか、契約している電力会社のWEBサイトなどを定期的に確認しておくことが重要です。